【6月22日 AFP】イエメン東部に、悪魔の言い伝えがある謎に包まれた「バラフートの井戸(Well of Barhout)」が存在する。「地獄の井戸(Well of Hell)」とも呼ばれる巨大な穴の詳細は、いまだほとんど知られていない。

 巨大な穴は、アルマハラ(Al-Mahra)県の砂漠の真ん中に位置しており、1300キロ離れた首都サヌアよりも、オマーンに近い場所にある。幅約30メートル、深さは100~250メートルの間だと考えられている。

 地元の言い伝えでは、穴は悪魔の監獄として造られたものだとされている。なぜなら、底の方から悪臭が漂ってくるからだ。

 イエメン当局も、穴の奥底に何があるかは分からないと話す。

 同州の地質調査・鉱物資源当局責任者、サラ・バブヘア(Salah Babhair)氏は、穴があまりにも深い上、酸素がほとんどなく、空気も流れていないため、誰も底までたどり着いたことがないと説明した。

「井戸を50~60メートル以上下りたことがある。中には奇妙なものがいた。奇妙な臭いもした。(中略)謎めいていた」

 穴の内部の近接撮影を試みたが、映像に収めるのはほぼ不可能だったという。

 バブヘア氏は、穴は「数百万年」前から存在するとし、さらなる研究・調査が必要だと話した。

 地元では、穴に近づいたものは吸い込まれてしまうと信じられている。井戸には超自然的な邪悪な生き物がすんでいるとされ、住民らは穴を訪れることはおろか、それについて話すことさえ不安に思っている。亀裂から不幸の種が出て来て、地上の生命を脅かすからだ。(c)AFP