【6月21日 AFP】国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のミチェル・バチェレ(Michelle Bachelet)高等弁務官は21日、スイス・ジュネーブで開かれた国連人権理事会(UNHRC)の第47回会合の冒頭で中国やロシア、エチオピアでの人権問題に言及し、世界の人権状況はここ数十年で最悪だとして、改善に向け「一致団結した行動」を呼び掛けた。

 バチェレ氏は、多くの国の人権状況に深い懸念を表明。紛争にあえぎ、約35万人が飢餓の危機にあるとされるエチオピア北部ティグレ(Tigray)州については、「深刻な人権侵害」が報告されていることに「強い危惧の念を抱いている」と述べた。

 中国の新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)については、今年同自治区を訪れ、「意義のある視察」ができることを望んでいると述べた。

 ウイグル自治区における中国政府の政策には国際的な非難が高まっており、米国は中国がイスラム系少数民族ウイグル人に対してジェノサイド(大量虐殺)と人道に対する罪を犯していると非難している。

 またバチェレ氏は、香港で昨年新設された国家安全維持法(国安法)の「恐ろしい影響」にも警鐘を鳴らした。

 同氏はさらに、最近のロシア政府による反体制派への締め付けの強化も非難した。ロシアでは反体制派が抑圧され、次の選挙への出馬も制限されている。特に、収監中の野党勢力指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏の団体を解体する最近の措置に懸念を示した。(c)AFP