【6月23日 AFP】フィンランドのサッカー協会が「スポーツ用ヒジャブ」を無料で希望者に提供し始めた。より多様な背景を持つ人々をサッカー界に引き入れるのが狙いだ。

 ヒジャブはイスラム教徒の女性が髪を覆うスカーフ。これまでにサッカー協会が提供した数十枚の特製ヒジャブは、伸縮性に優れたハイテク素材でできている。

 女子サッカーの発展を主導するヘイディ・ピヒラヤ(Heidi Pihlaja)さんは、「フィンランドでは、移民家族の少女たちをサッカークラブに入れることが本当に難しいです」と語る。

「それで私たちは、宗教やスカーフの使用を希望するしないにかかわらず、あらゆる人を歓迎するために、この取り組みを始めました」

 ピヒラヤさんによると、移民社会の少女や女性がサッカーを始めるうえで大きな障害となるのは、ヒジャブそのものよりも文化や費用の問題だ。だが、ヒジャブの提供には、サッカーへの女性の参加をより容易にする「象徴的な重要性」があるとピヒラヤさんは言う。

 首都ヘルシンキ郊外バンター(Vantaa)市のサッカークラブ「VJS」に所属するカミラ・ヌーフ(Kamila Nuh)さん(13)の好きなチームは、イングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)。VJSのユニホームも同じ赤い色だ。

 フィンランドでは確かに女性のサッカー選手はまだそれほど多くないと認めつつ、ヌーフさんは「私はその一人になりたいです」と語った。

 映像は1日撮影。(c)AFP