【6月21日 AFP】ワールドアスレティックス(World Athletics、世界陸連)のセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長は20日、国家ぐるみの薬物違反を犯したロシアから徴収した罰金を使い、2022年の第18回世界陸上オレゴン大会(World Athletics Championships Oregon22)の賞金を100万ドル(約1億1000万円)増額すると発表した。

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 コー会長は、東京五輪の代表選考会が開かれた米オレゴンで、ロシアから徴収した罰金のうち計200万ドル(約2億2000万円)を世界陸上の賞金増額のために取ってあることを明かした。次回オレゴン大会、2023年の第19回ブダペスト大会で100万ドルずつ増やすという。

 コー会長は「44種目があるので、1種目あたり約2万3000ドル(約250万円)が増える」と話し、「原資はロシア陸上競技連盟(RUSAF)が支払った罰金だ。そのお金をクリーンな選手にぜひ返したいと思っていた」と続けた。

 2019年に開催されたドーハ大会では、総額753万ドル(約8億2800万円)が各種目の8位以内に入賞した選手に分配された。ワールドアスレティックスは、今回増える100万ドルは上位のできる限り多くの選手に与えたいと話しているが、具体的な配分はまだ決まっていないという。

 コー会長は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で「ここ1年半は選手にとって厳しい時期が続いている」と述べ、資金が「全体に行き渡る」ことを期待していると示唆した。(c)AFP