【6月21日 AFP】陸上男子短距離のトレイボン・ブロメル(Trayvon Bromell)が20日、東京五輪米国代表選考会の100メートルで9秒80をマークして優勝し、五輪出場を決めた。

 けがに見舞われたキャリアから今年に入って驚くべき復活を果たした25歳のブロメルは、オレゴン州ユージーン(Eugene)のヘイワード・フィールド(Hayward Field)で行われた選考会で、好スタートを切ると序盤からリードを奪い見事な勝利を収めた。

 2位には9秒85でロニー・ベイカー(Ronnie Baker)が、3位には9秒86でフレッド・カーリー(Fred Kerley)が入った。

 一方、ジャスティン・ガトリン(Justin Gatlin)は10秒87で8位に終わり、自身通算4度目となる39歳での五輪出場はならなかった。

 今年に入って復活を果たしたブロメルだが、その前には一連のけがによってキャリアを棒に振る時期があった。

 フロリダ州出身のブロメルは2015年、10代選手としては史上最速となる100メートルで9秒84という自己ベストを記録し、陸上界に突如として現れると、同年の第15回世界陸上北京大会(15th IAAF World Championships in Athletics Beijing)でも銅メダルを獲得した。

 2016年にオレゴン州ポートランド(Portland)で行われた世界室内選手権(World Athletics Indoor Championships Portland 2016)では60メートルで優勝を果たしたブロメルだが、同年のリオデジャネイロ五輪ではウサイン・ボルト(Usain Bolt)氏が金メダルを獲得した100メートル決勝で8位に終わり、失望を味わった。

 その後行われた4×100メートルリレーでは、決勝のレース中にアキレス腱(けん)を断裂し、車いすでスタジアムを後にした。そこからけがの暗黒期が始まり、ブロメルは丸2年にわたって離脱を強いられた。

 しかし2021年は絶好調を維持しており、今月初めには今季世界最高となる9秒77をマークしていた。(c)AFP