【6月21日 AFP】南アフリカで20日、先週「ダイヤモンドラッシュ」を引き起こした謎の原石の正体が、ただの水晶(石英)であることが予備調査で明らかになった。

 最大都市ヨハネスブルクから南東に300キロ以上離れた、クワズールー・ナタール(KwaZulu-Natal)州クワフラティ(KwaHlathi)には、村外れで牛飼いがダイヤモンドとみられる原石を掘り当てて以来、何千もの人が殺到していた。

 
 これを受けて政府は、地質学と採掘の専門家チームを派遣し、原石を集めて分析を行わせた。結果は、一獲千金を目指して集まった人の夢を打ち砕くものだった。

 現地当局は専門家チームの報告書に言及し、「分析の結果、この地域で見つかった原石は、ダイヤモンドではないことが確定した」と発表した。「原石の正体は、水晶だった」

 原石の価値は未確定だが、ダイヤモンドと比べて「非常に低い」とみられるという。

 報告書によると、現場はドレライト(粗粒玄武岩)と呼ばれる火成岩のシル(岩体)の近くにあり、「ダイヤモンドが産出する場所ではない」という。

 水晶は、アフリカ南部を覆うカルー超層群(Karoo Supergroup)という地層で多く見られ、ドレライトのシル近くで特に多く見られる。(c)AFP