【6月21日 AFP】出稼ぎ労働者の人権侵害が問題視されている2022年サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)をめぐってノルウェーサッカー界は20日、同大会のボイコットに反対することを投票で決めた。

 同国サッカー協会(NFF)によって招集された臨時会合では、368団体がボイコットに反対する動議に支持の票を投じ、ボイコット賛成派は121団体だった。

 投票に先駆け、同国サポーターズ同盟(NSA)の広報担当者であるオレ・クリスティアン・サンドビク(Ole Kristian Sandvik)氏は、ノルウェーの予選参加に反対する人の間で広く使われている言葉を用いつつ、2022年にカタールで試合を行うことは「残念ながら墓地でプレーするようなもの」だと述べた。

 2000年の欧州選手権(UEFA Euro 2000)を最後に主要国際大会の出場から遠ざかっているノルウェーは、現在W杯予選でグループ4位につけている。

 そのため予選突破は難しい任務になりそうだが、今回の投票の結果は、サッカー界で最も人気があるタレントの一人であるアーリング・ブラウト・ハーランド(Erling Braut Haaland)や同国の選手がW杯カタール大会の予選を続行するかどうかに影響を及ぼす可能性があった。

 今回のボイコット運動は、同国1部リーグに所属するトロムセIL(Tromso IL)が2月に人権侵害の疑いに反対の声を上げたことが発端となっていた。同クラブは「サッカーの名の下で人々が死ぬのをもはや傍観していられない」と述べていた。

 W杯に向けたスタジアムやインフラ建設に従事している出稼ぎ労働者の待遇をめぐってカタールは批判を招いており、活動家たちは雇用主が搾取していたり、危険な条件で労働を強制していたりすることを非難している。(c)AFP/Pierre-Henry DESHAYES