【6月19日 AFP】(更新)イランで19日、前日に行われた大統領選で保守強硬派のエブラヒム・ライシ(Ebrahim Raisi)司法府代表(60)に対し、他の候補者らが勝利を認めて祝福の声を寄せた。現時点では選挙結果の正式発表は行われていない。

 政界の有力者の多くが出馬を禁じられたため、ライシ氏の当選が確実視されていた。

 退任を控えたハッサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領は、ライシ氏については言及しなかったものの、国民による選択を祝福するとし、「正式な祝意は後で示すが、十分な得票数を獲得して国民から選ばれたのが誰なのかは皆分かっている」と述べた。

 他の保守強硬派の候補者2人はライシ氏を名指しで祝福。また、唯一の改革派候補で、元中央銀行総裁のアブドルナセル・ヘンマティ(Abdolnasser Hemmati)氏もツイッター(Twitter)で祝辞を述べた。

 選挙管理当局は国営テレビで、ライシ氏の現時点での得票率は62%だと発表した。開票作業は続いており、投票率は今のところ公表されていないが、50%以下ではないかという懸念の声も上がっていた。

 当選が確定した場合、ライシ氏は今年8月よりロウハニ大統領の後任となる。イランは現在、核合意の再建に向けた主要国との協議や、急激な経済悪化をもたらした米国による制裁の解除を目指している。

 イスラム教の預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)の直系であることを示す黒いターバンを頭に巻いているライシ氏は、同国で絶対的な政治権力を持つ最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師(81)と近しい存在と目されている。(c)AFP/Frank Zeller and Ahmad Parhizi