【6月19日 AFP】中央アフリカの第4の都市バンバリ(Bambari)にある避難民キャンプが火災で全焼し、約8500人が住む場所を失っている。同地域では戦闘も発生していた。国際医療支援団体「国境なき医師団(Doctors Without BordersMSF)」が18日、発表した。

 火災が発生したのは、首都バンギ北東約380キロのバンバリ郊外に位置するエルバージュ(Elevage)避難民キャンプ。MSFによると、キャンプは全焼し、MSFが敷地内で運営していた医療施設も損壊した。MSFは火災の原因については明らかにしていない。

 MSFによると、現在、数千人がバンバリのモスク(イスラム礼拝所)に避難し、非常に不安定な状況で生活している。

 世界の最貧国の一つに数えられる中央アフリカは2013年、イスラム教徒中心の武装勢力連合「セレカ(Seleka)」によって当時の大統領でキリスト教徒のフランソワ・ボジゼ(Francois Bozize)氏が失脚したのを機に宗教対立を帯びた抗争に突入。セレカ排除の支援目的でフランス軍が介入し、国連(UN)による大規模な部隊も配備されたが、暴力沙汰が後を絶たない。

 MSFによると、エルバージュ避難民キャンプはこうした状況を受けて設立され、半遊牧民が多数を占める人々が戦闘を避けて各地から避難していた。

 戦闘が多発する時期と落ち着いた時期が繰り返されるうちにキャンプは小さな町のようになり、8500人ほどの居住者の間で6つのモスクをはじめ、店舗、テント、その他の建物が多数建てられていたとMSFは説明している。(c)AFP