【6月19日 AFP】オーストラリア政府は19日、中国がオーストラリア産ワインに反ダンピング(不当廉売)の制裁関税を課していることについて、世界貿易機関(WTO)に提訴すると発表した。

 オーストラリア政府は、「国内ワインメーカーの保護」を目的とした今回の決定は、中国の豪州産大麦への関税措置に対するWTOへの提訴に続くもので、「ルールに基づいた貿易システムを支持する」という政府の方針に沿ったものだと表明した。その一方で、「問題解決のため、中国と直接協議する用意がある」としている。

 中国はこの数か月、農産品や石炭、ワイン、観光などの分野で、オーストラリアに関税など厳しい経済制裁を科している。

 中国によるこれらの措置についてオーストラリア政府内部では、オーストラリアに影響を及ぼそうとする中国の動きに抵抗したことや、特定地域への中国からの投資を拒否したこと、新型コロナウイルスの起源の調査を公然と求めたことに対する報復だという見方が大方を占めている。(c)AFP