【6月19日 AFP】ポーランドの与党「法と正義(PiS)」のヤロスワフ・カチンスキ(Jaroslaw Kaczynski)党首は18日、先週発生した同国の政府高官を標的とした「大規模な」サイバー攻撃はロシアから実行されたとの分析結果を発表した。

 カチンスキ氏は「わが国と同盟国の情報機関の分析により、サイバー攻撃はロシア連邦の領土から実行されたと断言できる」とし、「政府高官、閣僚、さまざまな政治的立場の議員らが対象となった」と明らかにした。さらに、サイバー攻撃の目的は「わが国の不安定化を招く」ことにあったとの見方を示した。

 ポーランドでは先週、政府のワクチン責任者、ミハウ・ドボルチク(Michal Dworczyk)氏の個人メールアカウントが何者かにハッキングされ、後にメールの一部が暗号化メッセージアプリ、テレグラム(Telegram)で公開されるなどの被害が発生。政府報道官のピオトル・ミュラー(Piotr Muller)氏は 、「前例のない」サイバー攻撃だと述べていた。

 ポーランドは、ロシア政府が2014年にウクライナからクリミア(Crimea)半島を併合したことや、ベラルーシで強権統治を続けているアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領を支援していることなどから、ロシアとの緊張が高まっている。(c)AFP