【6月18日 AFP】スリランカ沖で約2週間にわたって続いたコンテナ船火災による熱と化学物質の影響で、カメやイルカ数十匹が死んだ。当局が17日、明らかにした。

 船内で火災が起きたシンガポール船籍のコンテナ船「エクスプレス・パール(MV X-Press Pearl)」は6月初めから部分的に水没しており、浜辺には大量のプラスチックの残骸が押し寄せている。

 野生生物当局によると、ここ数週間でカメ48匹とイルカ8匹、多くの魚の死骸が西部と南部の浜辺に打ち上げられたという。

 環境省のアニル・ジャシンゲ(Anil Jasinghe)氏はコロンボ(Colombo)で記者会見し、「カメやイルカの死骸のこうした映像を見ることは、国民にとって非常に苦痛だ」と語った。「火災直後に打ち上げられた死骸には、猛烈な熱によるやけどの痕がはっきり残っていた」

 ジャシンゲ氏によると、最近見つかったカメの死骸については化学物質中毒を示唆する予備報告も上がっており、死因を究明するために解剖が行われている。

 また、コロンボの北方400キロに位置するジャフナ(Jaffna)半島沖で、約9メートルのシロナガスクジラが死んでいた件も当局が調査している。クジラは15日、カイツ(Kayts)島に打ち上げられた。

 炎上したコンテナ船は、硝酸25トンなどの有害化学物質が入ったコンテナ81個を積んでいたことが分かっている。(c)AFP