【6月18日 AFP】男子テニス、元世界ランキング1位のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は17日、「キャリアを長引かせる」べく、今年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)と東京五輪への出場を辞退すると表明した。

 2008年北京五輪の男子シングルスで金メダルに輝き、ウィンブルドンでは同年と2010年に同種目で優勝している35歳のナダルは、自身のツイッター(Twitter)アカウントで「今年のウィンブルドンと東京五輪に参加しないと決めた」と決意を明らかにし、「決して簡単な決断ではなかったが、体の声に耳を傾け、チームとも話し合った結果、これが正しい判断だと理解している」とつづった。

「目標は自分のキャリアを長引かせ、満足できる仕事を続けていくこと。それはすなわち、最高のレベルで競技に臨み、最もハイレベルな大会でこうしたプロフェッショナル精神と個人的な目標に向けて戦い続けていくということだ」

 前週の全仏オープンテニス(French Open 2021)では、現世界1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)がナダルの大会連覇を4で阻止し、自身19回目の四大大会(グランドスラム)制覇を達成した。

 ナダルはまた、今年はローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)の開幕が1週間遅れ、ウィンブルドンまでの休養期間が例年より短くなっていることが今回の決断に影響したといい、「RG(全仏オープン)からウィンブルドンまで2週間しかないという事実が、常に厳しい戦いを強いられるクレーコートシーズン後に体を回復させることを難しくした」と説明した。

「とてつもない労力が必要な2か月だった。今回の決断は、中長期的に先をしっかり見据えてのことだ」

 母国代表の旗手を務めた2016年リオデジャネイロ五輪では同胞のマルク・ロペス(Marc Lopez)と組んで男子ダブルスを制しているナダルは、「スポーツ選手として、五輪には常に大きな意味を見いだしてきたし、優先事項にしていた」ともつづっている。

 ナダルはこれまで2004年、2009年、2016年にもけがを理由にウィンブルドンを欠場している。同選手の代わりに今大会の第3シードには、前週の全仏オープンで準優勝を果たしたステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)が繰り上がることになった。(c)AFP