【6月18日 CGTN Japanese】中国南西部の雲南省(Yunnan)で北に500キロメートル以上移動したアジアゾウの群れが、世界中で注目される「インフルエンサー」となっています。ゾウの群れは雲南省の省都である昆明市(Kunming)に到着した後、西北に移動し南下しており、現在はずっと雲南省玉渓市(Yuxi)易門県(Yimen)辺りで活動しています。1頭の未成年のオスのゾウが群れを離れて10日たち、群れから19キロメートル離れた昆明市晋寧区で活動しています。

 幼いオスのゾウが群れを離れた理由について、中国シーサンパンナ(西双版納)国家級自然保護区管理保護局の高級エンジニア・沈慶仲(Shen Qingzhong)氏は、本当に群れを離れるのではなく、反抗期を迎えたことが原因かもしれないとの考えを示しました。

 沈氏は長年、シーサンパンナでアジアゾウを観察しており、「5、6歳のオスのゾウは互いにけんかをしたり騒いだりするのが好きで、6、7歳になると、群れから離れたりすることがあるが、しばらくすると戻ってくる。オスのゾウは12歳ぐらいになって性成熟が始まり、繁殖能力を持って、パートナーを探す必要がある時期になってこそ、本当に群れを離れる」と述べました。

 では、ゾウの群れはいつ家に帰るのかという質問に対し、沈氏は「しばらくは、ゾウを家に帰す良い方法がない。雲南省はすでに雨期に入っている。ゾウの群れを導いてシーサンパンナに帰すには、途中で紅河を渡らなければならない。現在水位が上がっていて、ゾウは渡れないから、長期間玉渓にとどまるだろう。それに玉渓は夏が暑いし、川もあり、気候や環境はシーサンパンナと似ていて、しかも農作物が成長する季節で、食べ物に困ることはない。連日の観察から、ゾウの群れは帰り道を急がないと判断した」と述べました。

 専門家は、雨期が過ぎて、ゾウの群れを導いて紅河を渡らせ、シーサンパンナあるいはプーアル(Puer、普洱)に帰すのは冬になるだろうと予測しています。

 中国国家林業・草原局アジアゾウ研究センターは、ゾウの進行方向を事前に判断し、複数の地点に観測装置やパルスフェンスを設置し、ゾウが住民の多い区域に入らないようにしています。

 また、雲南省は今回ゾウが通る沿線で発生した経済的な被害に対して、野生動物による被害の保険によって金額を確定し賠償を始めました。この保険はすでに雲南省全域をカバーしており、個人で加入する必要はありません。政府は保険料を払い、保険会社とともに沿線住民に生じた損害を賠償します。(c)CGTN Japanese/AFPBB News