【6月17日 AFP】インド南部で13日、ソーシャリズム(Socialism、社会主義)さんが結婚した。式には兄のコミュニズム(Communism、共産主義)さんとレーニニズム(Leninism、レーニン主義)さんの他、幼いおいのマルキシズム(Marxism、マルクス主義)ちゃんも出席した。

 ソーシャリズムさんの父親は、左翼のイデオロギーがいまでも強く支持されている南部タミルナド(Tamil Nadu)州で、インド共産党(CPI)の地区の書記を務めるA・モハン(A. Mohan)氏だ。

 モハン氏は、「長男はソビエト連邦崩壊の真っただ中、ニュースで共産主義の終わりが盛んに報じられる時代に生まれた」とAFPに語った。

「しかし、人類がある限り共産主義は終わらない。だから、長男をコミュニズムと名付けた」

 次男にはレーニニズム、三男にはソーシャリズムと名付けた。次男の生後5か月の息子はマルキシズムと命名された。

「鎌とつち」が刻印された結婚式の招待状の写真は、ソーシャルメディアで話題となった。

 一方、花嫁のP・マムタ・バナジー(P. Mamata Banerjee)さんの名前は、西ベンガル(West Bengal)州の扇動的な左翼指導者にちなみ、祖父が名付けた。

 インドは東西冷戦(Cold War)時代、ソ連に傾倒していた。スターリン(Stalin)やレーニン(Lenin)、トロツキー(Trotsky)、さらにはソ連共産党の機関紙プラウダ(Pravda)という名前さえ、特に南部では珍しくはない。

 モハン氏は、息子たちの名前はありふれていると話す。子どもにモスクワ、ロシア、ベトナム、チェコスロバキアと名付けた「同志」もいるという。

「息子に女の子が生まれるのを待っている。その子には、キューバイズム(Cubaism)と名付けたい」 (c)AFP