【6月16日 AFP】イスラエル空軍は16日未明、パレスチナ自治区の武装勢力がイスラエル南部に可燃物や爆発物を取り付けた「風船爆弾」を飛ばしたことを受けて、ガザ地区(Gaza Strip)への空爆を開始した。治安筋と目撃者が明らかにした。

 イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区の主要武装組織による停戦が5月21日に発効して以降、初となる大規模な軍事衝突となる。

 パレスチナの情報筋によると、イスラエル空軍はガザ南部ハンユニス(Khan Yunis)の東側の少なくとも1か所を攻撃対象にしたという。現地にいたAFPのフォトジャーナリストも爆発を目撃した。

 イスラエル軍は、風船爆弾への対応として、「戦闘機でテロ組織ハマス(Hamas)の軍事施設を攻撃した」と発表した。ハンユニスにある「テロ工作員の施設や会合場所」も標的にしたという。

 現地消防隊員らによると、風船爆弾によってイスラエル南部で約20件の火災が起きた。

 15日には、エルサレム(Jerusalem)の旧市街で、イスラエルが1967年にヨルダン領だった東エルサレムを占領して併合し、エルサレムが「再統一」された日として祝うデモ行進が行われ、イスラエルの国旗を掲げた超国家主義者1000人以上が参加した。

 デモの開始前、米国と国連(UN)は自制を呼び掛けていたが、ナフタリ・ベネット(Naftali Bennett)首相率いるイスラエルの新政権はこれを承認していた。

 このデモに対し、イスラム原理主義組織ハマスは報復を予告していた。(c)AFP