【6月16日 AFP】ハンガリー議会は15日、未成年に対する同性愛の「助長」行為を禁止する法改正案を可決した。この法改正案に対しては、性的少数者(LGBTQI)を抑圧するものだとの批判が上がっている。

 法改正は、右派オルバン・ビクトル(Orban Viktor)首相が率いる政権が進める政策の一環で、実現すれば同性愛や性別移行に関する性教育や、LGBTQI団体の宣伝が事実上禁止されるほか、同性愛を助長するとみなされた映画に上映時間や視聴年齢の制限が課される可能性もある。

 オルバン政権は法改正について、小児性愛対策や未成年保護が目的と主張。だが反対派からは、表現の自由や子どもの権利を「深刻に制限する」ものだとの声が上がっている。

 議会前では14日、5000人以上が集まり、法改正案に抗議。LGBTQI団体は、ロシアで導入された類似の法律になぞらえ、法改正案を批判している。

 米国のジョー・バイデン(Joe Biden)政権はLGBTQIの権利を優先事項の一つとして掲げている。米国務省のジャリナ・ポーター(Jalina Porter)報道官はハンガリーの法改正案について、表現の自由に関する「懸念を生む」ものであり、「民主主義社会では受け入れられない」制限を含んでいると指摘した。(c)AFP