【6月15日 AFP】28日に開幕する今年のテニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)は、英政府が試験的な大規模イベントの一つに位置付ける中で、50パーセントの観客を入れることが認められ、決勝については満員のコートで実施される方針が明らかにされた。

 ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相は14日、イングランドで21日に予定していた新型コロナウイルス関連制限措置の全面解除を4週間延期すると発表した。変異株「デルタ株」による感染拡大が理由としている。

 しかし、ウイルスの影響で昨年中止されたウィンブルドンは、今年は原則的に50パーセントの観客数で2週間の日程をこなすことになり、来月10日に行われる女子シングルス決勝と同11日の男子シングルス決勝については、それぞれスタジアムの最大収容人数に相当する1万5000人を集めることになった。

 英政府でメディア問題を担当するオリバー・ダウデン(Oliver Dowden)文化相は、「どうすれば大規模なイベントを安全かつ永久的に始められるのか、そのさらなる根拠を集めたい」とし、「つまり今後数週間では、もっと大勢のファンがサッカー欧州選手権(UEFA Euro 2020)やウィンブルドンをはじめ、最大規模の文化およびスポーツイベントを楽しむことになる」と述べた。

 ウィンブルドンはこうした状況の進展を歓迎し、大会に向けて観客数や新型コロナウイルス感染対策に関する詳細を16日に発表する方針を明らかにした。発表文では「今後も政府と緊密に連携し、観客に新型コロナウイルス関連の証明書を求めることを含めて、われわれがイベントリサーチプログラムに参加する上での詳細をまとめる」と述べられていた。

 一方、英ロンドンのウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で開催される欧州選手権の最後の4試合は、観客4万人の前でプレーすることが可能となった。この数字は、イングランドが1-0でクロアチアを下した13日の初戦の倍近くになる。

 同スタジアムで29日に始まる決勝トーナメント1回戦に加えて来月の準決勝と決勝は、ここ約15か月では英国最大の観客動員数で実施されることになる。(c)AFP