ICC主任検察官、フィリピン「麻薬戦争」の本格捜査求める
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【6月15日 AFP】国際刑事裁判所(ICC)のファトゥ・ベンスダ(Fatou Bensouda)主任検察官は14日、フィリピンの「麻薬戦争」における人道に対する罪について、本格的な捜査をするよう求めた。15日に退任するベンスダ氏にとって最後の呼び掛けとなる。
ベンスダ氏はICCの判事らに対し、フィリピン警察が2016~19年に数万人の民間人を違法に殺害した疑惑の捜査を承認するよう求めた。
フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領が実施した麻薬犯罪の取り締まりは国際的に批判され、ICCは2018年に予備調査を開始した。
麻薬犯罪対策はドゥテルテ政権の看板政策であり、ドゥテルテ大統領はこれを断固として擁護。特に欧米の指導者や機関からの批判に対しては、フィリピンのことを考えていないと反論した。
フィリピンは2019年、予備調査に反発してICCを脱退したが、ベンスダ氏はフィリピンがICCに加盟していた期間に起きた犯罪については捜査が可能だと述べた。
アフリカ・ガンビア出身の弁護士であるベンスダ氏は「フィリピンに対する正式な捜査は、私の有能な後任、カリム・カーン(Karim Khan)氏が引き継ぐ」と述べた。
イスラエル・パレスチナ間の問題などの困難な課題が待ち受ける中、英国人のカーン氏は16日、主任検察官に就任する。(c)AFP/Danny KEMP