「How dare you!(よくもそんなことを!)」──16歳の少女が2019年9月の国連会議で放った言葉。

 世界の指導者らへの辛辣(しんらつ)な物言いは物議を醸したが、気候変動の議論にさまざまな人を巻き込み、彼女を国際的に有名にした。あのスピーチの前年(2018年)のグレタ・トゥンベリさんの様子が、AFPのカメラに収められている。

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 誰も何もしていない ──それがスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さん(当時15)を突き動かした。

「誰も何もしていない、何も起きていない、だったら私が何かしなければと思ったし、できることをやるのが私の道徳的務めだったからです」と、トゥンベリさんは2018年11月に行われたAFPとのインタビューで語った。学校を欠席し、スウェーデン議会の前で、気候変動に関して迅速な行動を求める座り込みを行っている。

「最初に環境や気候に関心を持ったのは、8歳か9歳の時でした。学校で先生が、紙を節約して電気は消すようにと言ったので、なぜなのか聞いたら、人間が引き起こす気候変動や地球温暖化というものがあるのだと」「すごくおかしいと思いました。もしそうなら、それしか話すことはないでしょう」とトゥンベリさんは主張した。

 このスウェーデンでの取材の翌月も、AFPはポーランドでトゥンベリさんにインタビューをしている。鉱山都市カトウィツェ(Katowice)で開催された国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)に参加していたのだ。

「この世界でこれからずっと生きていくのは私たち。私が100歳まで生きるとすれば、2103年に生きていることになり、今からずっと先の未来です」とトゥンベリさんは語った。

「私たちは、上の世代がめちゃくちゃにした状況を背負って生きていかなければなりません。そんなのフェアじゃありません」

 COP24でのトゥンベリさんは、父親で俳優のスバンテ(Svante Thunberg)さんと共に、次世代のために今すぐ行動を起こすよう議員らに呼び掛けていた。そして2人は、他の人々にも皆、行動してほしいと求めた。

 人間が排出する二酸化炭素(CO2)が環境にどのような影響を及ぼすかを知ったトゥンベリさんは、自分の家族に対し、ビーガン(完全菜食主義者)になって、飛行機に乗るのもやめようと訴えた。

「私にとって、そうしたことをやめるのは何かを犠牲にするわけではなく、どれも必要ないだけです」とトゥンベリさん。「犠牲だという捉え方をする人がいるのは分かっています。飛行機に乗るのをやめたくない人もいるでしょう。でもこれは、私たちがしなければいけないこと。これ以外に道はありません」  (c)AFP