【6月14日 People’s Daily】フランス・パリに本部を置く国際エネルギー機関(IEA)が発表した「2021年再生可能エネルギー市場リポート」によると、2020年の世界の再生エネルギー設備容量は前年比45%超増加し、1999年以降で最大の伸び率を記録した。2019年と2020年の中国の再生エネルギー設備容量は世界の80%以上を占め、中国の風力発電や太陽光発電が2020年末までに大量の送電を実現したことが、大幅増の主要因としている。

 中国国家エネルギー局によると、中国の再生可能エネルギーの発電設備容量は今年第1四半期(1~3月)末現在で9億4800万キロワットに達している。内訳は水力発電が3億7100万キロワット、風力発電が2億8700万キロワット、太陽光発電が2億5900万キロワット、バイオマス発電が3100万キロワット。第1四半期の中国の再生可能エネルギーの発電量は4754億7000万キロワット時に上る。

 浙江省(Zhejiang)では3月22日、太陽光発電が始めて1000万キロワットを超え、省内の消費電力の7分の1をカバーした。国家クリーンエネルギーのモデル省として、浙江省は二酸化炭素(CO2)排出ピークアウトとカーボンニュートラルの目標に向けてまい進しており、新エネルギーを主体とする新しい電力システムを構築するため、地域の発展に寄与するクリーンなエネルギーを提供している。浙江省では全国初の「エネルギー炭素コード」を開発し、企業の生産活動における電気、ガス、石炭、石油、熱エネルギーなどの消費データを集め、効率的なエネルギー水準を評価している。特に湖州市(Huzhou)では一定規模の企業3700社のCO2排出状況について「ワンコード」調査を実現している。

 四川省(Sichuan)涼山イ族自治州(Liangshan Yi Autonomous Prefecture)布拖県(Butuo)の布拖変電所の工事現場では、サッカーコート87面分の敷地にクレーン車が立ち並び、ショベルカーが行き交っている。四川省と雲南省(Yunnan)境界に位置する白鶴灘水力発電所と江蘇省を結ぶ超高圧直流送電計画の中核プロジェクトで、世界で建設中の変電所の中でも最大規模だ。

 国網四川電力の王永平(Wang Yongping)副総経理は「白鶴灘水力発電所は建設中の水力発電所としては世界最大で、1基あたりの設備容量でも最大を誇る。最初の発電機は7月に稼働する。建設スタッフたちはクリーンなゼロ炭素電力を送電するため、最後の1か月の戦いに取り組んでいる」と話す。

 国家電網超高圧部技術所の張進(Zhang Jin)所長は「第14次5か年計画(2021~2025年)期間中のわが社の超高圧送電整備はクリーンエネルギーを中心とし、7本の超高圧直流を建設し、新規送電能力は5600万キロワットとなる」と説明。「経営エリアや省をまたいだ送電能力は2025年までに3億キロワットに達する。ゼロ炭素エネルギーの送電割合は50%を占め、CO2排出量を13億4000万トン減らすことができる」と話している。(c)People’s Daily/AFPBB News