【6月14日 People’s Daily】自宅に帰ってワインキャビネットを開き、好きなワインをゆったりと味わう。そんなヨーロッパの人々の習慣をさらに豊かなものにしようと、中国の大手家電メーカー、ハイアール(海爾智家、Haier)は昨年9月、ドイツ・ベルリンで開かれた国際消費エレクトロニクス展において、有名なワインプラットフォームVivinoとの協力で開発したスマートワインキャビネットを発表した。キャビネットは1000種類以上のワインのブランド、年代、生産地などの情報を自動的に識別して登録する機能を持ち、ハイアールのモバイルアプリと連携することでワインの購入や管理を簡単にできるようにした。

 ハイアールは他にもスマート家電製品を多数発表。ハイアール・ヨーロッパのヤニック・フィーリング(Yannick Fierling)最高経営責任者(CEO)は「わが社は開放的でエコロジーなシステムを開発し、ユーザーと家電製品を結びつけていきます」と述べた。

 ハイアールは近年、モノのインターネット(IoT)、クラウドコンピューター、人工知能(AI)などの技術開発で台頭している。新型コロナウイルスが拡大して以降、ヨーロッパの消費者の家電製品に対する健康志向やスマート化の需要は高まっている。ハイアール・ヨーロッパは昨年6月、さまざまな家電製品を管理できるスマートアプリを開発し、これまでに200万人以上のユーザーを獲得している。ヤニック氏は「わが社のヨーロッパ事業はハイエンド家電の分野で急成長を遂げ、コロナ禍以前の2019年と比べて売上高を20~30%伸ばした。ヨーロッパの同業他社より高い成長率を実現している」と語った。

 ハイアールの海外生産能力も高まっている。ルーマニア法人のハイアール・テック・ルーマニアのIoT冷蔵庫工場は6月に正式稼働。7000万ユーロ(約93億円)を投じた工場には30台以上のロボットが導入され、年間生産能力は最大100万台に達する。現地法人のアレシア・イアンニ(Alessia Ianni)社長は「強大な生産力、技術力、物流能力を備えた新工場はハイアール・ヨーロッパの戦略に重要な役割を果たし、ハイアールが業界のリーダーになることを支えていくことになる」と強調した。

 ヨーロッパの消費者の間でハイアールの存在感は高まっている。世界3大デザイン賞の一つ、ドイツの「レッド・ドット・デザイン賞」を受賞するなど、ハイアールの製品は近年、ヨーロッパで多くのプロダクトデザイン賞に選ばれている。ドイツの主要金融メディアは昨年9月、消費者の満足度、品質、コストパフォーマンスなどの5項目から1400のブランドを調査した結果を発表し、ハイアールが家電分野の「2020年ニュースターブランド」に輝いた。昨年12月にはドイツ経済管理研究所のランキングで、ハイアールは家電分野の「最高信頼賞」を獲得し、優秀な7ブランドの1つに選ばれた。

 エコロジー、スマート、ハイエンドの道をまい進するハイアールは、中国政府が進める産業政策「中国製造」を象徴している。技術革新、高品質、ブランド力の向上を通じて、「メード・イン・チャイナ」が世界の消費者に歓迎される国際的な産業のリーダーとなる道を切り開いている。(c)People’s Daily/AFPBB News