【6月14日 AFP】サッカー元アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏の死をめぐり、殺人の容疑がかかっている元主治医ら7人に対する取り調べが14日から始まる。

 マラドーナ氏は、脳血腫の除去手術を受けた数週間後の2020年11月、心臓発作により60歳でこの世を去った。

 その後に同氏の娘2人が、手術後に状態が悪化する要因をつくったとして主治医のレオポルド・ルケ(Leopoldo Luque)氏の捜査を要請すると、検察の医療委員会はマラドーナ氏が適切な治療を受けられず、見殺しにされて「長期にわたる苦痛」にさらされたとする調査結果を発表し、ルケ氏ら7人が故殺(計画性のない殺人)容疑での捜査対象になっていた。

 7人は14日から28日にかけての2週間で、弁護士の付き添いのもとで一人ずつ検察の前に姿を見せ、容疑に関する質問に答えることになる。最後に取り調べを受けるのはルケ医師。もともと5月に始まる予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期になっていた。

 その後は裁判官が裁判に持ち込むかどうかを判断する。裁判が始まれば、判決が出るまでに数か月、場合によっては数年かかるとみられる。容疑のかかっている7人は、その間アルゼンチンを離れることはできず、有罪になれば禁錮8年から25年を言い渡される可能性がある。

 ルケ医師は「自分は手を尽くした。提供できるものは全て提供し、その中にはディエゴが受け入れたものもあれば、そうでないものもあった」と話し、繰り返し潔白を主張している。訴えの取り下げを求めており、マラドーナ氏は死ぬ前の数日間ふさぎ込んでいたとも話している。(c)AFP