【6月14日 AFP】13日に行われた全仏オープンテニス(French Open 2021)の男子シングルス決勝で、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)に逆転負けを喫して優勝を逃したステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)が、「後悔も涙もない」と話した。

 チチパスは2セットを先取したところから、7-6(8-6)、6-2、3-6、2-6、4-6で逆転負け。これによりジョコビッチは四大大会(グランドスラム)で通算19勝目を挙げ、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)とロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)の最多20勝まであと一つに迫った。

 それでも22歳とまだ若く、30代中盤から後半に入った「ビッグスリー」の後継者にふさわしいとされるチチパスは、「後悔はないと思う。泣いてもおかしくない状況だが、全てを出した以上、泣く理由はどこにもない。これ以上のものは出せなかった」と話した。

 今回が初めてのグランドスラム決勝だったチチパスは、いずれ自分の時代が来るのを分かっており、「刺激になる存在」と呼ぶジョコビッチらとの試合から教訓を得ている。

 チチパスは「きょうの試合の教訓は、何があろうと、試合を終わらせたいなら2セットではなく3セットを取らなくてはならないということだ」と話し、「2セットだけでは何の意味もない。試合に勝つにはあと1セットが必要だ」と続けた。

 それでもチチパスは、21歳になる前にジョコビッチとナダル、フェデラーを撃破したことを自信にしている。今回のクレーシーズンでも、モンテカルロ・マスターズ(Monte-Carlo Rolex Masters 2021)でマスターズ1000(ATP Masters 1000)初優勝を飾り、バルセロナ・オープン(Barcelona Open Banc Sabadell 2021)決勝ではナダルを相手にチャンピオンシップポイントを握った。その後は全仏直前のリヨン・オープン(Open Parc Auvergne-Rhone-Alpes Lyon 2021)でも優勝し、ツアー7勝目を挙げている。

「確かに自分でも、こうしたタイトルを争うプレーができていると信じている。きょうは負けてしまったが、自分のテニスに対する自信がある」

「もうすぐにそこまでたどり着けると確信している。きょうもあと少しだった。どんな相手も難しさはあるが、きょうの相手はこれまで対戦してきた選手と少し違った」

「それでも、これまでと同じ姿勢でテニスに向き合っていれば、こうしたトロフィーをいつか手にできるはずだし、そう思えない理由はどこにもない」 (c)AFP