【6月20日 AFP】ボイジャー1号(Voyagers 1)と2号(Voyagers 2)は太陽系探査の任務を担い、1977年に打ち上げられた。

 当初の目的は、木星と土星を集中的に探査することだった。だがこの探査の成功により、ボイジャー2号はすぐに太陽系の最も外側にある二つの巨大氷惑星、天王星と海王星に向かった。

 ボイジャー1号と2号は、太陽系の果てへと向かう長い長い旅に出た。

 別々の航路をたどっている2機の機体は全く同じだ。また地球外生命体との偶然の出会いに備え、地球上の生命の画像や音声を大量に記録した金メッキレコードのタイムカプセルをそれぞれ搭載している。

 探査機にはテレビカメラ、赤外線と紫外線のセンサー、磁力計、プラズマ検出器、宇宙線と荷電粒子のセンサーが搭載されている。

 地球への信号送信による消費電力はわずか20ワットで、冷蔵庫内の電球と同程度だ。信号は非常に弱いため、米航空宇宙局(NASA)の通信網「深宇宙ネットワーク(DSN)」の巨大な「耳」でしか聞き取れない。

 ボイジャー1号は、地球から見て北方向に進んでいる。2012年には「太陽圏」を抜けた初の探査機となった。太陽圏とは太陽風、つまり太陽から放出される粒子の泡に包まれた領域のことだ。

 地球から見て南方向に進んでいるボイジャー2号も、2018年末に星間空間に突入した。

 ボイジャー1号と2号はどちらも、今後4万年以上は別の恒星に接近する見込みがない。2030年には全ての観測機器が永久に停止することになるが、両機はその後、何十億年も宇宙空間をさまよい続けるかもしれない。(c)AFP