【6月13日 AFP】オーストラリア水泳連盟(Swimming Australia)は12日、競泳女子で二つの五輪銀メダルに輝くマデリン・グローブス(Madeline Groves)が「女性蔑視の変質者」の存在を告発したことを受け、女性担当者から成る独立委員会を設立し、女子選手関連の問題を調査することを発表した。

 26歳のグローブスは10日、「選手たちを国の代表にして自分が毎年ボーナスを稼げるように、若い女性や少女たちを身体的に辱め、医学的に自分が正気ではないと思い込ませることは、もうこれ以上できなくなる。時間切れ」とSNSに書き込み、東京五輪の代表選考会を辞退すると表明した。

 このコメントが誰に向けられたものかは定かではないものの、グローブスは昨年末にも自身のツイッター(Twitter)アカウントで、「競泳界で働く一人の人間が、水着姿の私を見るその目で私を不愉快にさせている」と訴えていた。

 連盟はグローブスと連絡が取れてはいないものの、選考会のかたわらで話し合いを行い、この問題を詳しく調査するための委員会を設置することを発表した。

 協会の最高責任者を務めるアレックス・ボーマン(Alex Baumann)氏は、オーストラリア放送協会(ABC)に対して、他に不満を漏らす選手はおらず、女子選手の扱いに問題があるとは思っていないと話しながらも、「どういうことかをはっきりさせるつもりだし、そのために今回の委員会を設置して状況を正確に確認したい」と話した。

 爆弾発言を残したグローブスだが、引退は示唆していない。同選手は2016年のリオデジャネイロ五輪で、200メートルバタフライと4×100メートルメドレーリレーの銀メダルを獲得している。(c)AFP