「クリスティアンを取り戻せた」 チーム医師がエリクセン卒倒語る
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【6月13日 AFP】12日に行われたサッカー欧州選手権(UEFA Euro 2020)、グループBのフィンランド戦で、デンマークのクリスティアン・エリクセン(Christian Eriksen)が突然ピッチで倒れたことについて、チームドクターが、エリクセンの心拍が止まっていると分かったときの恐怖や、ショックを受けている選手や観客の前で必死の蘇生術を行った際の様子を語った。
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エリクセンはフィンランド戦の前半終盤にピッチで突然倒れ、救命スタッフによる心肺蘇生術を受けた後、病院へ搬送された。その後、本人はすでに「意識があり」、状態も安定していることが発表されている。
試合後の会見で、マルティン・ボーセン(Martin Boesen)チームドクターは「クリスティアンが倒れた後にピッチへ呼ばれた。その瞬間を自分の目で見たわけではなかったが、意識がないのは明らかだった」と語った。
「駆けつけると、彼は横向きに倒れていた。息をしていて、最初は脈が確認できたが突然それが変わったので、みんなの見ている前でCPR(心肺蘇生法)を始めた」
「医療チームや残りのスタッフも本当に素早く助けに来てくれて、全員の協力でやるべきことができた。なんとかクリスティアンを取り戻せた」
チームはその後0-1で試合に敗れたが、デンマーク代表のカスパー・ヒュルマンド(Kasper Hjulmand)監督は、明らかに精神的に消耗している中で、ピッチへ戻って試合を続けた選手をたたえている。
感情を抑えきれない様子の監督は「全員が試合再開に同意して、信じられないことに挑戦してくれた」と話し、「どれだけ称賛してもしきれない選手たちだ。お互いを思いやって、これ以上誇らしいことはないよ」と続けた。
「選手はまず、クリスティアンの意識が戻り、全て問題ないことが確認できるまで何もしないと決断した」
「その後は、今夜に試合を終わらせるか、明日の昼間にプレーするかの二つの選択肢があった。誰もが今夜の再開を望んだ。後半われわれが相手を圧倒したことにはとても感動している」
「われわれの思いと祈りはクリスティアンと彼の家族のもとにある。彼は世界最高峰の選手で、それ以上に最高の人間だ」 (c)AFP