【6月12日 AFP】スペインのテネリフェ(Tenerife)島沖で10日、6週間前に妹と共に父親に連れ去られた6歳の女児の遺体が発見され、スペインに衝撃が広がっている。

 遺体で発見されたオリビアちゃんは、1歳の妹アンナちゃんと共に、4月27日にカナリア諸島(Canary Islands)で行方不明になったと報じられている。スペイン治安警察(Guardia Civil)がAFPに明らかにしたところによると、その前に父親は別居中の妻に「別れを告げるような口調」で電話をしていた。

 翌28日、この父親が所有する小舟と自動車のチャイルドシートがテネリフェ島沖に浮いているのが発見された。

 治安警察によると、捜索チームが10日夜に海底で幼児の遺体を発見し、後にオリビアちゃんであると確認された。報道によると、遺体が発見されたのは水深1000メートルの場所で、袋に入れられ、重りとしていかりが付けられていた。

 コスタリカ訪問中のペドロ・サンチェス(Pedro Sanchez)首相は「スペイン全土が衝撃を受けている」と述べた。レティシア王妃(Queen Letizia)も、このニュースに悲しんでいると表明した。

 スペインのメディアは、捜査に近い筋の話として、オリビアちゃんたちが行方不明になった4月27日、父親が複数の袋を船に積み込む姿が目撃されていたと報じた。

 アンナちゃんと父親の捜索は続いている。

 公式統計によると、スペインで2013年以降に父親または母親のパートナーや元パートナーに殺害された未成年者は39人。11日にはスペイン各地で、複数のフェミニスト団体がこの犯罪を非難するデモを行った。(c)AFP