【6月12日 AFP】米客船大手ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(Royal Caribbean International)は10日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)発生を受け中止されていた運航を再開したばかりの同社クルーズ船で、乗客2人が同ウイルス検査で陽性と判定されたと発表した。乗客は全員、ワクチン接種を済ませていたという。

 乗客約600人、乗員約650人のクルーズ船「セレブリティー・ミレニアム(Celebrity Millennium)」は5日、カリブ海(Caribbean Sea)のセントマーチン(Saint Martin)島を出発し、オランダ自治領のアルバ(Aruba)やキュラソー(Curacao)、バルバドスなどを巡る7日間のツアーに出ていた。

 ロイヤル・カリビアン・インターナショナルの発表によると、ツアー最後の必須検査で乗客2人が陽性反応を示した。2人は無症状で、現在隔離されている。

 同社によれば、同クルーズ船の感染対策は米国が定めた対策ガイドラインよりも厳しく、出港前には全乗客にワクチン接種証明と検査での陰性結果を提示するよう求めていた。

 米疾病対策センター(CDC)は現在、クルーズ船運航の暫定的再開に必要な条件として、乗客乗員の95%以上がワクチンの接種を済ませていることを求めている。

 クルーズ船ではこれまで、新型コロナウイルスの集団感染が相次いで発生。CDCは昨年3月14日、感染拡大を抑制するため、クルーズ船の運航中止命令を出していた。

 欧州や一部の諸国では、クルーズ船運航は昨年中に再開されていたが、米国では運航停止が続いていた。(c)AFP