【6月11日 AFP】中国の宇宙当局は11日、火星探査車「祝融(Zhurong)」の活動の様子を捉えた画像を公開した。

 中国神話の火神の名を冠した祝融は、二つのカメラの「目」を持ち、太陽光パネルの「翼」を広げた鳥のような姿をしている。

 先月から、「ユートピア平原(Utopia Planitia)」と呼ばれる溶岩流によってできた広大な平野の地形を調査している。

 国家航天局(CNSA)が公開した画像には、中国旗を掲げた着陸機から祝融が地表に降りた際に、赤い大地に残したわだちが写っている。同局は、これを「中国の足跡(そくせき)」と表現した。

 祝融は6輪で重量は240キロ。太陽光発電で動き、3か月にわたって写真撮影や地理データの収集、岩石サンプルの採取などを行う予定だ。

 同局は11日、火星ミッションの「工学タスクは予定通り、滞りなく遂行」され、機器は現時点で「良好な状態」にあると明かした。

  中国は世界で初めて、最初の火星ミッションで探査車の運用に成功した国となり、宇宙大国を目指す中国にとって重要な節目に到達した。(c)AFP