【6月11日 People’s Daily】5月30日5時01分、天舟2号(Tianzhou-2)宇宙補給船は自主高速ドッキングモードを採用し、天和(Tianhe)コアモジュールの後方ポートに正確にドッキングした。天舟2号は宇宙ステーションのコアモジュールにドッキングした初の宇宙機となった。

 宇宙ドッキングは有人宇宙活動の基本技術の一つで、宇宙ステーションや宇宙輸送システムの組み立て、回収、補給、メンテナンス、宇宙飛行士の交代、救出などの軌道上の任務を遂行するための先決条件だ。

 中国航天科技集団五院天舟2号宇宙補給船の党蓉(Dang Rong) 副総設計士によると、これまで宇宙船のドッキングには、打ち上げからドッキング条件を満たすまでに2〜3日かかり、その過程で多くの人が参加する必要があった。今回の天舟2号は、天和コアモジュールとのドッキングに高速ドッキング技術を採用した。その最大の特徴は「速い」ということだ。全過程の約8時間にわたり、地上の介入も不要で、まるで無人自動運転車のようだという。

 天舟2号は全密閉貨物モジュールと推進モジュールの2つのモジュールから構成され、シリーズ化、モジュール化設計理念を用いてプラットフォーム構成とレイアウト設計を行っている。全長10.6メートル、発射重量13.5トン、上り物資の総重量6.8トンに達し、軌道上での寿命は1年以上、電力供給能力は2700ワット以上だ。有人宇宙船神舟と違い、天舟宇宙補給船は荷物の輸送のみで有人打ち上げは行わない。4年前、宇宙補給船天舟1号と宇宙実験室天宮2号(Tiangong-2)はドッキングに成功し、軌道上で推進剤の補給試験を完了させた。中国宇宙ステーションプロジェクトの重要な一部である天舟2号は、中国宇宙ステーションのコアモジュールとドッキングする初の宇宙機で、宇宙ステーションに物資を輸送し、燃料を補給し、廃棄物を持ち帰る役割を担っている。

 中国航天科技集団五院天舟2号宇宙補給船の馮永(Feng Yong)総指揮によると、天舟2号には宇宙飛行士3人の3カ月の消耗品、船外宇宙服およびプラットフォーム物資が搭載され、宇宙飛行士が宇宙で衣食住、移動、作業を行えるようになっている。また、生活物資のほかに推進剤も搭載され、ドッキングの際にはコアモジュールへの燃料注入や姿勢制御を行う。それに、実験設備や実験資料なども積まれ、有人宇宙船神舟12号が天和コアモジュールに宇宙飛行士を送り込むと、宇宙飛行士がこれらの実験物資を軌道上で取り出して取り付けるという。

 大小160個余りの貨物パックと2トンの推進剤は、天舟2号全体の重量の半分以上を占め、積載量比は50%を超えている。この中には2つの重要な「宝」が入っている。2枚の宇宙飛行士の船外宇宙服だ。1枚の重さは100キロ余りで、船外宇宙服は宇宙飛行士がコアモジュールに到着した後、船外任務を遂行するために必要な物資だ。このほか、「宇宙マッサージ機」や「宇宙冷蔵庫」など、ユニークなアイテムが宇宙補給船に乗せて打ち上げられた。

 宇宙ステーションの軌道上建設任務計画によると、中国は今年と来年の2年間で11回の飛行任務を実施する。それらの任務には、宇宙ステーションのモジュール部分3回、宇宙補給船4回および有人宇宙船4回の打ち上げが含まれる。中国航天科技集団一院のキャリアロケット長征7号の徐利傑(Xu Lijie)主任設計士によると、「2年間の11回の任務は、密接につながっている。リレーのように、毎回の任務の成否は中国宇宙ステーション建設計画の順調な実施にかかっている」という。(c)People’s Daily/AFPBB News