【6月11日 AFP】近代の男子テニスで最高のライバル関係にあるノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)とラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は、11日に行われる全仏オープン(French Open 2021)の準決勝で、通算58回目の対決を迎える。

 15年前の2006年大会で初めて対戦したときと同じコート・フィリップ・シャトリエ(Court Philippe-Chatrier)で決勝進出を懸けて戦う両雄は、これまでタイトルを獲得したのが四大大会(グランドスラム)では合計38回、マスターズ1000(ATP Masters 1000)では合計72回を数える。

 世界ランキングではジョコビッチが1位の在位期間で史上最長記録を保持しているのに対し、ナダルはここ16年間にわたりトップ10以内を維持している。

 準決勝の対戦はローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)で計13回の優勝と105勝2敗の通算成績を誇るナダルが勝つと予想されている。35歳の同選手は、クレーコートでのジョコビッチ戦では19勝7敗、全仏では7勝1敗とリードしている。

 一方、2016年大会の覇者であるジョコビッチは、同年のイタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2016)を最後に赤土ではナダルを倒したことがないものの、全仏では2015年の準々決勝で白星を記録しており、仏パリで同選手に勝利したわずか2人のうちの1人であることが後押しとなる可能性がある。

 全仏の決勝ではストレートで敗れた昨年大会を含めてナダルに3敗しているジョコビッチは、「準決勝は大方の予想通りだ。われわれがここに到達した」と話すと、「われわれはこのコートで、もう何年もバトルを繰り広げている」と語った。

 さらに「彼(ナダル)とコートに歩いて行くとき、いつもとは違う武者震いを感じる」としながらも、「だからこそこのライバル関係は歴史的なものになっている」と強調した。

 13日に行われる決勝の切符を手に入れるための今回の大一番には、両者にとって歴史的快挙の達成も懸かっている。

 今大会でジョコビッチが自身19回目のグランスラム制覇を果たせば、全ての四大大会を2回以上制すという1969年にロッド・レーバー(Rod Laver)氏が成し遂げて以来の快挙となる。

 一方、ナダルが優勝すれば、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)を上回って男子では歴代単独1位となる通算21回目のメジャータイトル獲得となる。

 クレーコートではジョコビッチを圧倒しているものの、ナダルはあまり先走りすぎないように心掛けており、「これは準決勝であり、決勝ではない。それが大きな違いだ」と気を引き締めていた。(c)AFP/Dave JAMES