【6月11日 AFP】ロシアの矯正当局は10日、極東シベリア(Siberia)地方にあるバイカル・アムール鉄道(バム鉄道、BAM)の新区間の建設工事に、受刑者を派遣すると発表した。バム鉄道の一部区間は旧ソ連時代、グラグ(Gulag)と呼ばれる強制労働収容所の囚人によって建設された。

 労働力が不足する中、ロシア政府当局は大規模な建設事業に刑務作業を利用する計画を議論してきたが、強制労働収容所を復活させるつもりはないと強調している。

 バム鉄道は、東シベリアのバイカル湖(Lake Baikal)から極東の日本海(Sea of Japan)まで4000キロ超を結ぶ。

 1930年代に構想されたバム鉄道は、規模、コスト共に旧ソ連最大級の事業で建設され、独裁者ヨシフ・スターリン(Joseph Stalin)の下で強制労働収容所に送られた何万人もの囚人が命を落とした。

 国営ロシア通信(RIA)は、連邦刑務所局(FSIN)の報道官の発言を引用し、「刑務作業を利用し、矯正施設として機能する場をつくるという目的で合意がなされた」と報じた。

 この計画に参加している主要企業の一社を率いるアレクサンドル・チェルノヤロフ(Alexander Tchernoyarov)氏は、新型コロナウイルスの流行により多くの出稼ぎ労働者がロシアに入国できず、「深刻な人手不足」に陥っていると指摘する。

 ロシア軍は4月、バム鉄道の近代化に貢献すると表明したが、不足している1万5000人の労働力を補うには、より多くの人手が必要とされていた。

 1930年代のバム鉄道建設工事の際には、囚人約4万人が死亡したとされるが、実際の死者数はそれよりも多いと多くの研究者が考えている。

 FSINのアレクサンドル・カラシニコフ(Alexander Kalashnikov)局長は5月、人権団体に刑務作業を活用する計画について語り、「グラグのようにはならない」と述べた。受刑者には「適正な環境」と給料が与えられるという。

 バム鉄道の新区間は340キロで、来春着工予定となっている。(c)AFP