【6月11日 AFP】欧州サッカー連盟(UEFA)は10日、ウクライナ代表に対して、ロシアから反発を招いていた「政治的」スローガンを欧州選手権(UEFA Euro 2020)用の新ユニホームから削除するように要請した。

 ウクライナサッカー協会(UAF)が先日発表したユニホームには、2014年に同国で起きた反ロシアデモで叫ばれていた「英雄に栄光あれ!」などのメッセージが掲げられており、UEFAはこのスローガンについて「明らかに政治的なもの」と判断した。

 ロシアは同年に併合したクリミア(Crimea)半島を含む地図なども前面にプリントされている黄色のこのユニホームをめぐり、8日にUEFAに異議申し立ての書簡を送っていたことから、今回の動きを歓迎している。

 一方、UAF側はUEFAに決定を覆すように交渉していると明かし、「UEFAは先日、新しいキットやスローガンなどそこに入っている全ての要素を承認していた」とAFPの取材で強調した。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は先日、このユニホームを手に持った2枚の写真をインスタグラム(Instagram)に投稿し、その中でロシア側の抗議は「ウクライナの人々を団結させている多くの重要なシンボル」をないがしろにしているとつづっていた。

 地図については国連総会(UN General Assembly)の決議で「認められた境界線通りのデザインで描かれている」ことから、UEFAは削除あるいは変更の必要はないとしている。(c)AFP