【6月11日 Xinhua News】中国香港特別行政区金融管理局(HKMA)はこのほど、金融サービスにITを活用するフィンテックの推進戦略「フィンテック2025」を公式サイトで発表し、中国人民銀行(People's Bank of China、中央銀行)と協力してデジタル人民元の実証実験を続けていく方針を明らかにした。

 同局の余偉文(エディー・ユー)総裁は香港銀行協会主催のシンポジウムで、同戦略について①銀行のデジタル化の全面的推進②中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する研究強化③データインフラの潜在力発揮④フィンテック人材バンクの拡充⑤資金と政策を活用した発展支援-の5方面から進めていくと述べた。

 CBDCについては、香港でホールセール型とリテール型の両方を発行する準備を整えるための研究がしっかりと行われていると説明。国際決済銀行(BIS)の香港イノベーションハブセンターと協力してリテール型CBDCの研究を進めており、今後はリテール型デジタル香港ドルの研究も始め、使用場面やメリット、関連するリスクを検討していくと語った。

 このほか、香港と中国内地の住民に利便性の高い決済サービスを提供するため、人民銀と協力してデジタル人民元の実証実験を引き続き香港で行っていく方針を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News