【6月10日 AFP】インドで10日、直近の24時間に確認された新型コロナウイルスによる死者数が6000人を超え、世界最多を記録したことが分かった。統計を見直した結果、死者数が大幅に増えたという。これを受けて累計死者数も、実態は報告数を大きく上回るのではないかという懸念が強まっている。

 保健省によると、直近24時間の死者数は6148人。累計死者数は36万人に迫り、世界で3番目に多い。

 1日の死者数でこれまで最多だったのは、AFPの集計によれば米国で今年2月12日に記録された5527人だった。

 9日には、インド東部ビハール(Bihar)州で当初の報告より約4000人多い、約9500人に修正された。州政府による流行規模や死者数の隠蔽(いんぺい)疑惑が浮上したため、同州パトナ(Patna)の高等裁判所が死亡記録の見直しを命じていた。

 インドでは最近の感染急拡大で火葬場が足りず、多数の遺体が川に流されたり、浅く掘った穴に埋められたりする事態が各地で相次いだ。データの正確性を疑問視する声は、他の州政府にも向けられている。

 インドの統計は、平時でも信ぴょう性が高いとは言い難い。新型コロナ死者数の実態も、公式統計の数倍とみる専門家も多く、すでに100万人を超えて世界最多の可能性もある。(c)AFP