【6月10日 AFP】アルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス(Alberto Fernandez)大統領が9日、現代のメキシコ人は先住民の子孫でブラジル人は「ジャングル出身」だが、自国民は欧州からやって来たと発言し、謝罪に追い込まれた。

 フェルナンデス氏は、来訪したスペインのペドロ・サンチェス(Pedro Sanchez)首相や財界関係者と首都ブエノスアイレスで会談した際、「私は欧州主義者だ。欧州を信じている」と述べた。

 その上で同氏は、メキシコ人の詩人オクタビオ・パス(Octavio Paz)の言葉の引用だとしつつ、「メキシコ人はインディアン発祥で、ブラジル人はジャングル出身だ。だが、われわれアルゼンチン人は船でやって来た。向こうから、欧州から来た船だ。そうやって私たちはこの社会を築いた」と続けた。

 この発言の動画はインターネットで拡散され、ブラジル国内では反発が広がった。

 発言から数時間後、フェルナンデス氏は「誰かを不快にさせる意図はなかった」が、不快に感じた人全員に「謝罪する」とツイッター(Twitter)に投稿。「20世紀前半にわが国は500万人を超える移民を受け入れ、彼らはわが国の先住民と共に暮らしてきた」とつづり、「わが国は多様性を誇りにしている」と続けた。

 ブラジルのチロ・ノゲイラ(Ciro Nogueira)上院議員は、フェルナンデス氏の発言について、「なぜ第2次世界大戦(World War II)後にナチス・ドイツ(Nazi)の戦犯がアルゼンチンに潜伏したのか、その理由がより深く理解できた」とツイートした。(c)AFP