【6月13日 AFP】米ニューヨークのブルックリン(Brooklyn)で毎週、ミニチュア絵画の「宝探し」が行われている。アーティストのスティーブ・ワスターバル(Steve Wasterval)氏(40)が、SNSを通じて呼び掛けているものだ。

 ワスターバル氏は、グリーンポイント(Greenpoint)地区のミニチュア風景画をこの3年間で80枚ほど手掛け、街のどこかに隠してきた。ポーランド系住民が多いこの地区は最近、若手のクリエーターが移り住み、しゃれた雰囲気になっている。

「自分の作品を外へ出したかったのです。壁に貼ったり、ストリートに置いたりしたかったのです」とワスターバル氏。「ほんの小さな絵にしようと思ったのを覚えています。それを好きなだけ隠しておいて、みんなに見つけてもらえるように」

 同氏は毎週末、小さな風景画をそこに描かれた場所で撮影した写真をインスタグラム(Instagram)に投稿する。告知の時間は決まっていないが、場所はいつもグリーンポイントのどこかだ。

 投稿から数分後には十数人が、その日のテーマの場所に到着し、壁の裏や非常階段などあちこちを探し始める。

 ワスターバル氏は近くにいる時もあれば、いない時もある。助言を求められれば、インスタグラムのダイレクトメッセージで参加者たちにヒントを送る。

 絵の大きさは、5センチ×3.8センチほど。1時間ほどで描き上がるが、小さな作品は絶対に販売しないという。

「見つけてもらうしかありません。自慢したくなる小さなトロフィーのようなものです」とワスターバル氏。今回、隠し場所に選んだのは、辺りで人気のピザ店「パウリージーズ(Paulie Gee's)」の片隅だった。

 映像は5月25日撮影。(c)AFP/Laura BONILLA