【6月10日 AFP】国連(UN)の国際労働機関(ILO)と国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は10日、世界で児童労働に従事する子どもが20年ぶりに増加したとする共同報告書を発表した。新型コロナウイルスの流行により、さらに数百万人増える恐れがあるという。

 報告書によると、2020年初め時点の児童労働に従事する子どもは、4年間で840万人増え、1億6000万人に上った。

 児童労働に従事する子どもの数は2000年から2016年にかけ9400万人減少したが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の前には増加に転じていた。

 新型コロナウイルスの流行が加速し始めた時点で、世界の子どもの約10人に1人が労働を強いられていた。最も多かったのは、サハラ以南のアフリカだった。

 子ども全体に占める児童労働者の割合は2016年から変わっていないが、人口が増加しているため数自体は大幅に増えている。

 また、新型コロナウイルスのパンデミックが、状況を悪化させていると報告書は指摘している。

 ILOとユニセフは、急増する貧困に陥った家庭に対し緊急支援を実施しなければ、今後2年で5000万人近い子どもが新たに労働を強いられる恐れがあると警鐘を鳴らしている。(c)AFP/Nina LARSON