【6月10日 AFP】男子ゴルフ、メジャー通算4勝のブルックス・ケプカ(Brooks Koepka、米国)は9日、全米オープン選手権(2020 US Open Championship)王者ブライソン・デシャンボー(Bryson DeChambeau、米国)との不和は「ゴルフ界にとって良いことだ」と話した。

 両者をめぐっては、ケプカが2位に入った先月の第103回全米プロゴルフ選手権(2021 PGA Championship)でインタビューを受けている際、自身のそばを通ったデシャンボーにいら立つ映像が話題になると、その後はケプカ本人が、前週のメモリアルトーナメント(2021 the Memorial Tournament)でデシャンボーをからかったファンに無料でビールを提供すると発言するなど、SNSでのやり合いにまで発展している。

 注目が集まり人気が高まることは両者に金銭面なメリットがあるが、ケプカは過熱気味のライバル関係はゴルフ界の成長につながるとも考えている。

「ゴルフ界にとって良いことだ。本当にそう思う」とコメントしたケプカは、「約2週間、ほぼすべてのニュースメディアでかなり頻繁にゴルフのことが取り上げられているという事実がある。良いことだ。競技を成長させている」と話した。

「それを良しとせず、伝統を重んじる人がいるのも理解できるが、競技を成長させるためには若い世代に届かなければならない。今回のことは非常に多くの人に届いている。ゴルフが大勢の人の前で見られている」

 両者は9月に控える米国選抜と欧州選抜による対抗戦、第43回ライダーカップ(The 43rd Ryder Cup)で再び注目の的になる可能性がある。デシャンボーは同大会の出場ポイントで2位に、ケプカは5位につけている。ライダーカップの米国選抜チームは、6人がポイントで決まり、さらに6人をスティーブ・ストリッカー(Steve Stricker)が主将推薦で選ぶ。

 ストリッカーも、デシャンボーとケプカがロッカールームでもめた場合のチームへの悪影響を懸念しているかもしれないが、ケプカ本人は「そうなる理由が見当たらない」と答えている。

 ケプカは今週、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)で中止になったカナディアン・オープン(RBC Canadian Open 2021)の代替大会であるパルメット選手権(Palmetto Championship)に出場するため、全米プロが行われたサウスカロライナ州に戻ってきている。

 1回限りの開催となるパルメット選手権は、次週カリフォルニア州ラホヤ(La Jolla)のトーリーパインズGC(Torrey Pines Golf Course)で行われる全米オープン前の最後の大会となっている。デシャンボーは昨年の同大会でメジャー初制覇を果たしており、今年は連覇に挑む。(c)AFP