【6月10日 AFP】ペルー大統領選の決選投票は9日、急進左派のペドロ・カスティジョ(Pedro Castillo)氏が勝利宣言を行った。ただし、選挙管理委員会の公式結果はまだ出ていない。

 僅差で追う右派のケイコ・フジモリ(Keiko Fujimori)氏は同日の記者会見で、802か所の投票所で不正があったとして20万票を無効とするよう全国選挙裁判所(JNE)に申し立てたと明らかにしたほか、30万票の再集計を要求した。

 開票率99%の段階での両者の得票率は、カスティジョ氏50.2%、フジモリ氏49.7%で大接戦が続いている。

 カスティジョ氏は、党独自の集計で自身の「勝利」が確定したと発表。「中南米諸国など各国政府」から寄せられた祝福のメッセージに「ペルー国民の名において」感謝すると述べた。

 もっとも、公式にカスティジョ氏の勝利を承認した国はなく、ボリビアのエボ・モラレス(Evo Morales)元大統領が「この勝利を祝福する」というメッセージを送っただけだ。

 現状でカスティジョ氏は7万9000票以上リードしているが、集計はまだ続いており、両陣営とも票に異議を申し立てていることから、選管は決着がつくまで10~12日かかるとの見方をAFPに示した。

 やはり大接戦だった直近3回のペルー大統領選と同様に、農村部や密林の奥地、在外有権者100万人分の投票用紙がまだ首都リマに届いておらず、票の集計は遅れている。すでに集計の終わった在外票のほとんどはフジモリ氏が獲得しているが、地方の学校で教師を務めた教員組合出身のカスティジョ氏は農村部に支持者が多い。

 アナリストのウゴ・オテロ(Hugo Otero)氏は、「在外票よりもペルー国内の未集計票の方が多いと考えられる」ため、フジモリ氏が逆転するのは「非常に難しい」とAFPに語った。(c)AFP/Francisco JARA