【6月9日 AFP】(写真追加)新型コロナウイルスの世界的流行の影響で「世界の住みやすい都市ランキング」が大きく変わり、オーストラリア、日本、ニュージーランドの都市が、欧州の都市よりも上位につけたことが、9日に発表された調査結果で明らかになった。日本の都市は、大阪が2位、東京が5位だった。

 英誌エコノミスト(Economist)が毎年実施している「世界の住みやすい都市」に関する調査の2021年度版で、ニュージーランドの最大都市オークランド(Auckland)が1位だった。

 2位は大阪、3位はオーストラリアのアデレード(Adelaide)、4位はニュージーランドの首都ウェリントン、5位は東京だった。いずれも新型ウイルスの流行に迅速に対応した都市だった。

 同誌の調査部門「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)」は、「オークランドが首位に浮上したのは、新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の封じ込めに成功したことで社会の開放性が保たれたため」と説明した。

 最も上昇幅が大きかったのは米ハワイ州のホノルル(Honolulu)で、新型ウイルス流行の抑制と迅速なワクチン接種が評価され、順位を46上げて14位となった。

 対照的に欧州の都市は「今年のランキングで特に低調だった」とEIUは指摘している。2018~20年版で1位だったオーストリアの首都ウィーンは今年、12位に転落した。「ランキングの下落幅が大きいトップ10都市のうち八つが欧州の都市」だという。

 欧州の都市で最も下落幅が大きかったのは、ドイツ北部の港湾都市ハンブルク(Hamburg)で、順位を34落として47位となった。

 欧州各都市の下落要因は、病床の逼迫(ひっぱく)による「医療スコアの低下」だという。また、移動制限により、文化活動や住みやすさ全体が影響を受けたという。

 一方、最下位の世界で最も住みにくい都市は今回も、内戦が続くシリアの首都ダマスカスだった。(c)AFP