【6月9日 Xinhua News】中国四川省(Sichuan)の成都文物考古研究院は7日、成都市(Chengdu)新津(しんしん)区にある宝墩(ほうとん)古城遺跡で、4500年前の竹製家屋部材を初めて発見したと発表した。成都平原でこれまでに見つかった最古の「竹の家」であり、このような竹の骨組みと土壁を持つ建物は、三星堆(Sanxingdui)文化の時代まで受け継がれたとされる。

 同遺跡は長江上流地域でこれまで発見された中で、最も時代が古く、最大の面積を持つ先史時代の都市遺跡であり、成都平原で人類が初めて大規模な定住生活を営んだ場所とされる。成都平原の稲作文明発祥の地でもあり、古代蜀文明や「天府の国(肥沃な土壌を持つ成都平原の古くからの呼称)」農耕文明の経済基盤を築いた。三星堆文明の起源を研究する上での重要な手がかりにもなっている。

 同研究院宝墩作業所の唐淼(Tang Miao)副所長は、今年度の発掘調査で、台地の端が崩れた赤焼土の基礎部分から炭化した竹片6個を発見したと説明。「竹片が出土した時は、これまでになく興奮した。竹や木の骨組みと土壁、基礎坑を持つ家屋は長年にわたり、遺跡の痕跡を元にした推測だった。4500年前の炭化竹の部材は、竹の骨組みと土壁の存在を直接的に証明した」と述べた。

 今年度の発掘調査では、他にも1万点を超える宝墩期の土器片や数十点の石器が出土した。成都平原で最古と思われる稲田跡も見つかり、発掘チームは今後の体系的な調査を通じて最終的な結果確認を行うとしている。

 唐氏は、宝墩遺跡の最新の発見が、先史時代に長江上流域で暮らしていた人々の生活を知る上で重要な意義を持つと語った。(c)Xinhua News/AFPBB News