【6月8日 AFP】パキスタン南部で脱線した急行列車に対向してきた別の急行列車が衝突した事故で、当局は7日、死者が少なくとも43人、負傷者が数十人になったと明らかにした。

 現場は、シンド(Sindh)州北部ダハルキ(Daharki)近郊。辺境に位置しているため救急隊の到着が遅れ、複数人が大破した車両内に数時間取り残された。

 地面にはねじれた金属片が散乱し、荷物が山積みになり、横転した車両の周りには、近隣の村々から大勢の見物人が集まった。

 7日夜には、工兵と土木技師ら主導で、がれきの撤去と線路の修復を開始した。ある当局者は、同日中に復旧工事を完了したいと述べた。

 事故は7日午前3時30分(日本時間同7時30分)ごろ発生。カラチ(Karachi)発サルゴダ(Sargodha)行きのミラット・エクスプレス(Millat Express)が脱線し、対向の線路をふさいだ状態となったところへ、ラワルピンディ(Rawalpindi)発の満員の急行列車、サー・サイード・エクスプレス(Sir Syed Express)が衝突した。

 乗客は合わせて約1200人で、当局によると、死者のほとんどは、ミラット・エクスプレスの乗客だった。

 現地警察は、43人が死亡し数十人が負傷したと明らかにした。一方、パキスタン国鉄(Pakistan Railways)の広報は、現場は辺境で連絡が困難と前置きした上で、死者は33人と発表している。(c)AFP