AFP通信(本社パリ)の報道写真を、日本の中学・高校の教育現場で生かし、いま現実に世界で起こっている問題について、生徒自らが気付き、何ができるのかを議論する新しいスタイルの授業が、4月18日に東京・駒込の聖学院中学校・高等学校で行われました。

【関連】模擬授業に参加した生徒たちのコメント

 中学3年生8人、高校1年生2人の計10人が、Global SDGs Classroomと題した約2時間の模擬授業に参加しました。

 講師は、「教育界のノーベル賞」と称されるグローバル・ティーチャー賞に2016年、日本人として初のトップ10に選出された髙橋一也先生です。教室に入ってきた生徒が、まず目にしたのは、数十枚のAFPの報道写真でした。ガンジス川、スイスアルプス、シリアの難民キャンプ、スリランカの露店など、世界各地の写真が机の上に並べられていましたが、生徒への写真説明は一切なし。どの国のどういう状況なのかという背景の情報はありません。

 生徒たちは、気になった写真を選び、観察しました——どのような状況なのか、何が問題なのか。そして、その問題が、自分の日常の生活につながっている部分はないのか、自分の身の回りでできることはあるのかを考えました。

 教室には拡大した写真のパネルも用意されていました。

 黒い油が漂着した浜辺に立つ、苦悶(くもん)の表情を浮かべる男の子の写真パネルに集まった生徒たちからは、「明らかに天然由来じゃない」「人工物」という声が上がりました。彼の両手に付いているものは何だろうという話から、流出した油を綿のようなもので吸着する試みを、以前にテレビで紹介しているのを見たと発言する生徒もいました。

 髙橋先生が、「普段何気なく見ているテレビと、いま(手に)持っている写真がつながったね」と指摘し、さらに授業が進んでいきました。

 世界で、いま起こっていることにビジュアルから迫る授業です。

 解答は用意されていないため、授業がどのように展開するのかは予測できません。生徒同士、そして生徒と先生のやりとりで進む、新しい取り組みです。

 AFP通信は、挑戦する教室を応援します。