【6月7日 People’s Daily】先ごろ、中国湖南科学技術大学(HNUST)が独自に開発した「マナティⅡ号」海底大孔深保圧コア採取掘削システムは、水深2000メートルを超える南シナ海の中で、231メートルの掘削に成功し、深海の海底掘削の深さの世界記録を更新し、中国がこの分野で世界トップレベルに達したことを示した。

 200メートル以下の掘削は、中国が理論上、すべての海洋資源の探査能力を備えていることを意味する。これまで世界の海底掘削機の最大掘削深度設計能力は200メートルで、実際の保圧コア採取作業は最深135メートルにすぎなかったが、「マナティⅡ号」はこの記録を大幅に更新した。

 深掘りのほかに、「マナティⅡ号」には、保圧コア採取というユニークな妙技がある。これが可燃性氷などの海底鉱物資源探査の鍵となっている。海水圧力で「氷」のような形をしている可燃性氷は、適当な水深から離れると圧力が小さくなり、ガスとなって揮発する。したがって、通常の深海掘削機では可燃性氷のサンプリングはできず、海底の地層が同じ圧力を保持した状態でのみ採取できるという。

「マナティⅡ号」の首席科学者である万歩炎(Wan Buyan)教授の紹介によると、「マナティⅡ号」は主に全過程の保圧ロープのコア採取、ドリルパイプの格納およびドリル棒の迅速な接続・取り外し、知能化・専門家操作システム、海底掘削機の安全かつ信頼性のある投入・回収などの技術的難題を克服した。全ての重要技術はいずれも自主的に開発され、現在125件の国家特許と4件の国際発明特許を取得しているという。

 自動化、知能化されたデザインのおかげで、「マナティⅡ号」の操作は、母船の中で一人でも行うことができる。「マナティⅡ号」はボーリングコアリングと同時に、岩石の抵抗率や空隙率を原位置で探知し、孔内周辺の岩石の写真を撮影するという「副業」も可能だ。

 近年、中国は海洋技術装備の研究開発をますます重視している。深海の海底ボーリング技術は、他の深海装備制造技術に大きな影響があり、関連分野の研究開発をリードすることができる。万教授によると、10年余り前までは、科学試験船のほとんどの装備は輸入品だったが、今では国産装備は80%以上に達し、今後この割合はますます高くなるという。

 万教授によると、チームは深海ボーリング設備の性能のさらなる最適化を進め、環境適応能力、作業性能、知能化の程度を向上させる。これまで水深1万メートルを超えるマリアナ海溝で海底ボーリングを行える者はまだ現れていない。「水深1万メートル級の地質ボーリングサンプリングに挑むのが、私たちのチームの次の目標だ」と言う。(c)People’s Daily/AFPBB News