【6月6日 AFP】男子ゴルフ米国ツアー、メモリアルトーナメント(2021 the Memorial Tournament)で、3日目を終えて首位に立っていた前回王者のジョン・ラーム(Jon Rahm、スペイン)が5日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査で陽性となり、棄権を余儀なくされた。

 ラームは同日朝に提出した検体で陽性反応が出た。それまでは4日連続で陰性で、無症状だったという。

 ラームはこの日、日没順延のため未消化だった第2ラウンドの16番でエースを奪うと、2打差の首位で迎えた3日目に「64」をマークして8ストローク伸ばし、差を6打に広げていた。3日目を終えて通算18アンダーの「198」は、会場となる名門ミュアフィールド・ビレッジGC(Muirfield Village GC、パー72)の最少タイ記録だった。

 棄権となったラームに代わって、2019年大会王者のパトリック・キャントレー(Patrick Cantlay)と、2020年の全米プロゴルフ選手権(2020 PGA Championship)覇者コリン・モリカワ(Collin Morikawa)の米国勢2人が通算12アンダーの首位タイとなっている。

 いきなり首位タイに浮上したキャントレーは「ゴルフへ戻れたとはいっても、こういうことになる可能性があるのはみんな承知していたと思う。とにかくものすごく不運だ」とコメントした。

 ツアーによれば、ラームは5月31日の時点で、別の陽性者と濃厚接触していたことを伝えられていたが、毎日の検査実施や施設の利用制限など、他選手よりも厳しい制限を受け入れて出場することを選んでいた。

 陽性が判明したのは3日目のラウンド中で、ツアーのメディカルアドバイザーの要請で2回目の検査も行われたが、ラウンド終了直前に陽性という結果が出た。18番グリーンを離れたところでそのことを知らされたラームは、顔を手で押さえて上半身を折り、それから体を起こして「またか」と口にした。

 その後、ツイッター(Twitter)でコメントを発表したラームは、「メモリアルトーナメントを棄権することになり非常に残念だ。これも人生で起こることの一つで、こうした壁にどう立ち向かう人間なのかを問われる瞬間だ」と述べ、早期の復帰を目指すと話した。(c)AFP