【6月5日 AFP】台湾は、ハイテク業界の労働者を対象に新型コロナウイルスの検査とワクチン接種を増やしている。コロナ禍による世界的な半導体不足の中、半導体業界におけるクラスターの早期発見を目指す。

 半導体受託製造の世界最大手「TSMC(台湾積体電路製造)」が立地する北部・新竹(Hsinchu)のサイエンスパークに、現地当局が迅速検査の会場を開設した。

 新竹市の医師会は、ボランティアの医師120人による迅速検査チームをすでに組織しており、今後数日で4か所に地域のワクチン接種会場を設置するとしている。

 コロナ禍の影響で、電子製品に必要不可欠な半導体部品が世界的に不足しており、台湾の工場は生産に追われている。生産には大量の水が必要だが、台湾が過去数十年で最悪の干ばつに見舞われたにもかかわらず、これらの工場はフル稼働している。

 昨年は、優れたコロナ対策によってわずか数百人の感染者と1桁の死亡者を出しただけで乗り切った台湾だが、この数週間は航空会社のパイロットから発生したクラスターが拡大し、感染者が急増。累計で感染者は約1万人となり、死者は180人を超えている。(c)AFP