【6月5日 AFP】競泳男子100メートル自由形の現五輪王者カイル・チャルマース(Kyle Chalmers、オーストラリア)は4日、東京五輪では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が出ると予想しつつ、日本に行くのは「少し怖い」と明かした。

 豪競泳陣で金メダル最有力候補の一人に挙げられているチャルマースは、最大のライバルである米国のケーレブ・ドレッセル(Caeleb Dressel)との大一番に向けて、準備を加速させている。

 同種目では2016年のリオデジャネイロ五輪でチャルマースが金メダルを獲得したが、第18回世界水泳選手権(18th FINA World Championships)ではドレッセルが46秒96の驚異的なタイムをたたき出し、タイトルを手にした。

 東京では現在、新型コロナウイルスの第4波を抑制するために、ロックダウン(都市封鎖)よりも制限が緩い緊急事態宣言が出されている。

 この状況を受けて不安を感じているというチャルマースは、次週国内で行われる代表選考会を前に豪アデレード(Adelaide)の地元紙「アドバタイザー(The Advertiser)」に対して「もちろん少し怖い」と認め、「最も恐れているのは予選と準決勝を通過した後、検査でコロナ陽性が判明して決勝に出られず、14日間も部屋に隔離されることだ」と語った。

 オーストラリアの代表選手は大半が東京五輪に向けてワクチンを打つ予定とされているが、チャルマースがすでに接種済みなのか、これから接種を受けるつもりなのかは明らかにされなかった。

 同選手は東京五輪が新型コロナウイルスの影響を受けると予想しており、「東京の(新型コロナウイルス)感染者数をずっと追跡している。減少傾向になっているのは良いことだけれど、ウイルスが(選手)村の周辺に入り込んだり、大会にかなりの影響が出たりするのは避けられないだろう」と語った。(c)AFP