【6月5日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2021)の女子ダブルスに出場していたロシアのヤナ・シジコワ(Yana Sizikova)が4日、昨年大会の同種目で故意に敗れたとして前日に仏警察に拘束された後、釈放された。

 警察関係者はAFPの取材に対し、女子ダブルスの世界ランキングで101位につける26歳のシジコワは、女子ダブルス1回戦で敗れた3日の現地時間午後9時前に、試合会場で仏警察の特捜班に身柄を拘束されたと明かした。

 逮捕の第一報を伝えた仏紙パリジャン(Le Parisien)によれば、同選手は試合後のマッサージを終えたところで連行され、宿泊していたホテルの部屋も捜索されたという。

 一方、パリ検察はシジコワが訴追されずに4日夜に釈放されたと公表するとともに、「捜査は続行中である」と述べた。

 昨年の全仏オープンでシジコワはマディソン・ブレングル(Madison Brengle、米国)とペアを組み、1回戦でルーマニアのアンドレア・ミトゥ(Andreea Mitu)/パトリシア・マリア・ティーグ(Patricia Maria Tig)組に敗れたが、この試合は競技における不正行為と組織的詐欺の疑いで同10月に捜査が開始されていた。

 当時AFPが事件の情報筋に取材したところ、疑惑が浮上するきっかけとなったのは、問題の試合がフランス以外の複数の国において不自然に高額な賭けの対象になっていると通報されたことによってだった。

 シジコワは新しいパートナーのエカテリーナ・アレクサンドロワ(Ekaterina Alexandrova、ロシア)と臨んだ逮捕直前の試合で、ストーム・サンダース(Storm Sanders)とアイラ・トムリャノビッチ(Ajla Tomljanovic)の豪ペアにわずか1時間足らずの1-6、1-6で敗れた。(c)AFP/Alexandre HIELARD